AWS Media Servicesの2024年を振り返ってみる

AWS Media Servicesの2024年を振り返ってみる

2024年にWhat's New at AWSにポストされたAWS Media Servicesのアップデート情報をまとめてみました。独自集計によると合計44個のアップデートがありました。
Clock Icon2024.12.31

はじめに

清水です。2024年もあとわずかとなりました。ここ数年、大晦日のこのタイミングでAWS Media Servicesにまつわる1年間のアップデートを振り返るブログエントリをまとめてきました。私の中で年末の恒例行事となりつつあるので、今年も例年にもれずまとめてみたいと思います!

昨年2023年までは、What's New at AWSにポストされたアップデート内容のうち、AWS Media Servicesにカテゴライズされる各サービスごとにアップデート内容をまとめていました。今年2024年は少し趣を変えて?みます。(このほうがまとめやすかった、というのが正直なところですが。)What's New at AWSにポストされたアップデート内容を扱う点は同じですが、まずAWS Media ServicesのページのContent CreationカテゴリとContent Distributionカテゴリに大別します。その中でもContent Distributionカテゴリについては、全般と各サービスごとのアップデート内容をまとめてみました。Content Creationについては各サービスごとにまとめず、Content Creationという1つのカテゴリでまとめています。

過去のエントリ(2023年〜2018年の振り返り)については以下をご参照ください。

Content Distribution

まずはContent Distributionのカテゴリです。大まかにいえばAWS Elementalの各サービスのほか、Amazon Interactive Video Service (IVS)などが含まれます。

Content Distribution全般

まずはContent Distribution全般に関するWhat's New at AWSのアップデート内容です。複数のサービスにまたがるアップデートをこの「Connect Distribution全般」で扱います。合計3件のアップデートがありました。特にMedia Quality-Aware Resiliencyについては、MediaLive、MediaPackage、そしてCloudFrontのそれぞれに追加された新機能が連携して動作します。AWSならではの機能強化ではないでしょうか。Workflow monitorについてはも、S3やCloudFrontを含めた各サービスを横断してモニタリングできます、これもAWSだからこそできる機能であり、強力ですよね。

AWS Elemental MediaConnect

MediaConnectのアップデートは5件でした。Content Distribution全般でモニタリング機能が強化されていましたが、MediaConnect単体でもモニタリングまわりが強化されていますね。また個別の出力停止機能も強力です。2023年に発表されたMediaConnect Gatewayのアップデートもありました。

AWS Elemental MediaConvert

MediaConvertでは3件のアップデートがありました。質的なAWS値下げとなる、オンデマンド料金のボリュームディスカウントは嬉しいですよね。ほかAWS Elementalサービスでも同様の内容でのボリュームディスカウントのアップデートを期待したいところです。また利用可能リージョンの追加など着実にアップデートがなされています。

AWS Elemental MediaLive

MediaLiveのアップデートは7件でした。3つの利用可能なリージョンが新たに追加されています。またInputとOutputの双方でサポートが強化されていますね。そしてオンプレミスでMediaLiveが動く!MediaLive Anywhereのリリースは衝撃的でした。

AWS Elemental MediaPackage

MediaPakcageのアップデートは2件です。数こそ少ないものの、MediaLiveやCloudFrontとの機能連携によるCross-regionフェイルオーバーについては、今年のAWS Medie Services全体でみても大きなアップデートだったかと思います。

AWS Elemental MediaTailor

MediaTailorのアップデートは4件でした。AD insertionとChannel assemblyそれぞれでしっかりと機能強化がなされていますね。

Amazon Interactive Video Service

Amazon IVSでは8件のアップデートがありました。2023年からLow-Latency StreamingとReal-Time Streamingの2本立てとなったAmazon IVS、Real-Time Streamingはその性質上、Low-Latency Streamingと比べるとどうしても最大同時視聴社数の上限が制限されてしまいます。それでも、最大同時25,000サポートの発表をするなど、ビッグなアップデートがありました。また両機能でingest方式のサポートが広がっていますね。

Amazon CloudFront

Content Distributionカテゴリの最後に、CloudFrontのアップデートを1件取り上げます。CloudFront、厳密にはWhat's New at AWSのNetworking & Contet Deliveryにカテゴライズされますが、Media Services機能ということでこちらのアップデートが紹介されていました。Common Media Server Data (CMSD)はMedia Quality-Aware Resiliencyで使用されていますが、Client側のデータ、Common Media Client Data (CMCD)についてもCloudFrontで扱うことができるようになっています。

Content Distributionカテゴリで終了が予告されたサービス

Content Disbributionカテゴリでは合計33個のアップデートがありました。しかし、2024年は終了が予告されたサービスもあります。AWS Elemental MediaStoreとAmazon Elastic Transcoderの2つですね。サービス終了はどちらも2025年11月となります。
どちらも後継となるサービス、機能が提供されており、またここ数年はアップデートもありませんでした。残念ながら役目を追え、来年2025年の11月にサービス終了となりますが、移行などの対応をしっかりと行いましょう。

Content Creation

Content Creation向けのサービスでは、合計11件のアップデートがありました。その中でも大きいのは、4月のAWS Deadline Cloudのリリースではないでしょうか。これまでのAWS Thinkbox Deadlineが、よりCloudらしく使えるよう機能強化され新サービスとしてリリースされた、という印象です。このAWS Deadline Cloud関連のアップデートが多くありました。

ただ、このようなDeadline Cloudという大きなアップデートがあった反面、2021年にリリースされたAmazon Nimble Studioについてはその役目を追え、勇退するかたちとなりました。

まとめ

What's New at AWS – Cloud Innovation & NewsのMedia Servicesカテゴリにポストされた内容をベースに、2024年のAWS Media Servicesのアップデート情報をまとめてみました。独自集計となりますが、合計44個のアップデート情報が確認できました。なお2023年は合計55件、2022年は25個のアップデートでした。2023年と比べるとアップデートの個数自体は少なくなっていますが、例えばWorkflow monitorやMedia Quality-Aware Resiliency、Cross-region failover、AWS Deadline Cloudの発表など、大きなアップデートが多かったという印象です。

また、これはMedia Servicesに限らずAWS全般ですが、サービスの終了が予告されたことが印象的でした。本エントリで扱っているMedia Servicesでも3つのサービスが終了ないし終了予定となっています。

さて、来年2025年はどんなアップデートがあるのでしょうか!わくわくしつつ、来年もしっかりとアップデート情報をキャッチアップしていきたいなと思いました。

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